(初級編)
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実験Aではたまにこういう長い数式が出てくる。このような数式をLaTeXで記述するとき、分数全体をカッコで囲むため\left( ... \right)
を使用する方法が普及していると思う。以下、もう少し短い例を使って説明する。
\[ \frac{\Delta X}{X} = \sqrt{\left(\frac{\Delta R}{R}\right)^2
+ \left(\frac{2\Delta i}{i}\right)^2
+ \left\{\frac{\Delta\left(\frac{\Delta T}{\Delta t}\right)}{\left(\frac{\Delta T}{\Delta t}\right)}\right\}^2} \]
とにかく読みにくい。これを少しマシにする方法として、physicsパッケージの\qty( ... )
を使うことができる。使い方はphysicsパッケージを読み込んでおくだけである。
%これを\begin{document}の前に書いておく
\usepackage{physics}
...
\[ \frac{\Delta X}{X} = \sqrt{\qty(\frac{\Delta R}{R})^2
+ \qty(\frac{2\Delta i}{i})^2
+ \qty{\frac{\Delta\qty(\frac{\Delta T}{\Delta t})}{\qty(\frac{\Delta T}{\Delta t})}}^2} \]
波カッコを使うときは、\left\{ ... \right\}
のようにエスケープする必要はなく、\qty{ ... }
とするだけで良い。
physicsパッケージには他にも便利な機能がある。\sin
や\log
などはphysicsを読み込むと挙動が改良され、\qty
のように自動でカッコをつけてくれるようになる。
%physicsを使わない場合
\[ \sin \left(\frac{\pi}{2}\right) \]
%physicsを読み込むと、\qtyと同じように使える
%従来通りカッコをつけない用法でも使える
\[ \sin(\frac{\pi}{2}) + \sin 3x + \sin 5x \]
微分記号は\dv
、偏微分記号は\pdv
で簡単に記述できる。使い方は\dv[n]{y}{x}
でnに次数、yに微分対象、xに変数を入れる。nおよびyの部分は省略することができる。
\[ \dv{t}, \quad \dv[2]{y}{x}, \quad \pdv{u(x,t)}{x} \] % \quadはただの全角スペース
\qq
は数式中でテキストの左右に適切なスペースを入れてくれる。「よって」「したがって」などの語句を使う際に重宝する。\qq*
はテキストの右のみにスペースが入る。
\[ A \qq{ゆえに} B \]
\[ \qq*{よって} T_1 < T_2 \]
physicsパッケージで使用できるコマンド等は下記のリファレンスで解説されている。