(上級編)
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スペクトルの実験では角度を扱う。表記は度分秒の60進法を用いる。siunitxパッケージを利用することで角度の表現も簡単にできてしまう。
\ang{度;分;秒}
というコマンドを使うと角度を表すことができる。度分秒は適宜省略することができる。セミコロンは省略することはできないが、度のみのときはセミコロンが不要である。
$\ang{113;24;30}$, $\ang{175;52;}$, $\ang{;5;}$, $\ang{1.5}$
ところで、回折角の測定結果など角度を表にして縦に並べるとき、分が1桁で表示されてしまうと不都合がある。
\begin{table}[h]
\centering
\caption{角度の表}
\begin{tabular}{ccc} \hline
輝線 & 次数$m$ & 角度$\theta_m$ \\ \hline
\multirow{2}{*}{A} & 1 & \ang{96;24;} \\
& 2 & \ang{104;03;} \\ \hline
\multirow{2}{*}{B} & 1 & \ang{58;00;} \\
& 2 & \ang{75;31;} \\ \hline
\end{tabular}
\end{table}
siunitxのminimum-integer-digits
オプションを使うと、整数の最小桁数を指定することができるが、これを文書全体に適用してしまうと他の\SI
など無関係なところが影響を受けてしまう。そのため、ちょっとした小技を使って\ang
のみにこのオプションを適用する。また、揃え位置指定をrにすることで、3桁の度と2桁の度を混在して揃えることができる。
%この2行を\begin{document}の前に書いておく
\let\angz\ang
\renewcommand{\ang}{\angz[minimum-integer-digits=2]}
\begin{table}[h]
\centering
\caption{角度の表}
\begin{tabular}{ccr} \hline
輝線 & 次数$m$ & 角度$\theta_m$ \\ \hline
\multirow{2}{*}{A} & 1 & \ang{96;24;} \\
& 2 & \ang{104;03;} \\ \hline
\multirow{2}{*}{B} & 1 & \ang{58;00;} \\
& 2 & \ang{75;31;} \\ \hline
\end{tabular}
\end{table}
\renewcommand
は既存のコマンドを再定義するコマンドであるが、再定義したコマンドに元のコマンドが含まれていると循環参照を起こしてエラーとなる。そのため\let
で\ang
を\angz
という別の名前にコピーし、\ang
をオプション付きの\angz
として再定義した。つまり、オリジナルの\ang
コマンドは\angz
として併用することができる。
\angz
と\ang
の使い分け数式内で角度を扱うときなどは2桁で表示する必要がないので、\angz
を使うと良い。
\[ \SI{0.0886}{\radian} = \ang{5;4;35} = \angz{5;4;35} \]
表内で1桁の度や分を含む角度を使いたい場合は少し工夫が必要である。表を参照。
\newcommand{\cth}{\multicolumn{1}{c}}
\begin{table}[h]
\centering
\caption{様々な1桁の数を含む角度}
\begin{tabular}{r|p{9cm}} \hline
角度$\theta$ & \cth{備考} \\ \hline
\ang{12;34;} & \\ \hline
\ang{65;8;} & 分のみが1桁のときには再定義した\verb|\ang|が有用である。 \\ \hline
\angz{3;25;} & 度のみが1桁のときは\verb|\ang|のオリジナルである\verb|\angz|を使えば桁数の調整なしに表示できる。 \\ \hline
\angz{4}\ang{;9;} & 度分の両方とも1桁のときはどうしようもないので、度と分で別々に分けて表示すれば簡単である。2つのコマンドの間に空白は入れずに繋げること。 \\ \hline
\end{tabular}
\end{table}