(中級編)

最終更新:

概要

表はtable環境を用いて作成するが、基本的な書き方の説明は省略する。LaTeXでの表の作成は特に様々なテクニックが要求されるため、順を追って解説していく。

表の中央揃え

表をページの左右中央に配置するためにはcenter環境を使用すると書いているサイトがあるが、正しくは\centeringを使用するべきである。


%悪い例
\begin{table}[h]
\begin{center}
...
\end{center}
\end{table}

%良い例
\begin{table}[h]
\centering
...
\end{table}
		

表の見出し

実験Aのレポートの書き方やWebClassの問題でよく言われている通り、見出しの物理量および単位の書き方に注意すること。(mm)のような表記ではなく、「物理量/単位」の表記が良い。これは、物理量や単位の記号を数式のように扱うことができるからである。「長さ/mm」のような表記は存在しない(数式ではない)ので注意。


\begin{eqnarray*}
D_1 &=& \SI{33.64}{mm} \\
D_1 / \si{mm} &=& 33.64
\end{eqnarray*}
		

表の罫線

罫線は最小限に引くべきである。表1は典型的な間違った例である。ネット上に載っている書き方の例を鵜呑みにしてはいけない。正しくは表2のように表の上と下、見出しとデータの間のみに線を引く。


\begin{table}[h]
\centering
\caption{間違った例}
\begin{tabular}{|c|c|} \hline
時間$t/\si{s}$ & 温度$T/\si{\degreeCelsius}$ \\ \hline
308 & 31.6 \\ \hline
321 & 31.8 \\ \hline
332 & 32.0 \\ \hline
\end{tabular}
\end{table}

\begin{table}[h]
\centering
\caption{正しい例}
\begin{tabular}{cc} \hline
時間$t/\si{s}$ & 温度$T/\si{\degreeCelsius}$ \\ \hline
308 & 31.6 \\
321 & 31.8 \\
332 & 32.0 \\ \hline
\end{tabular}
\end{table}
		

セルの結合

横方向の結合には\multicolumn{列数}{揃え位置}{内容}、縦方向の結合には\multirow{行数}{*}{内容}を使う。\multirowの使用にはmultirowパッケージを読み込む必要がある。また、横罫線は自動的に消えないため、\hlineの代わりに\cline{開始列-終了列}を使って部分的に罫線を引く。縦に結合するセルは空欄のまま残しておく。


\begin{table}[h]
\centering
\caption{セルの縦横結合}
\begin{tabular}{cccc} \hline
 1 & \multicolumn{2}{c}{横結合} &  4 \\ \hline
 5 &  6 & \multirow{2}{*}{縦} &  8 \\ \cline{1-2}\cline{4-4}
 9 & 10 &    & 12 \\ \hline
13 & 14 & 15 & 16 \\ \hline
\end{tabular}
\end{table}
		

見出しのみ中央揃え

表4はかなり極端な例であるが、見出しよりデータが長いときに左or右揃えを用いると、見出しも左or右に寄ってしまう。この問題は\multicolumn{1}{c}{見出し}、つまり「1つのセルを結合する」という小技によって解決することができる。さらに、このコマンドは長いので短く定義し直してやるととても使いやすくなる。


\begin{table}[h]
\centering
\caption{右揃えの失敗例}
\begin{tabular}{cr} \hline
試料 & 長さ$l/\si{mm}$ \\ \hline
A & \num{1.643+-0.007e2} \\
B & \num{1.230+-0.006e2} \\
C & \num{8.96+-0.04e1} \\ \hline
\end{tabular}
\end{table}

\begin{table}[h]
\centering
\caption{見出しのみ中央揃え}
\begin{tabular}{cr} \hline
試料 & \multicolumn{1}{c}{長さ$l/\si{mm}$} \\ \hline
A & \num{1.643+-0.007e2} \\
B & \num{1.230+-0.006e2} \\
C & \num{8.96+-0.04e1} \\ \hline
\end{tabular}
\end{table}
		


%\begin{document}より前に以下のコマンドを書いておくと
\newcommand{\cth}{\multicolumn{1}{c}}
%次のように使うことができる
%"cth"は"centering the heading"の略のつもりだが、名前は勝手に決めてよい
\cth{長さ$l/\si{mm}$}
		

おまけ

表の小数点揃え(上級編)の内容を取り入れると表5を更に改良することができる。→表のおまけ

関連項目

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